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【 準備の大切さ 】

創業1806年。
海軍元帥 東郷平八郎、男装の麗人 川島芳子も常宿とした熱海の宿にて。

夜が静かに流れる。It flows quietly at night.

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司馬遼太郎「坂の上の雲」より

「よき指揮官とはなんでしょうか。
あしにはそれがようわからんのです。
少将はご自分の出した命令を後悔したことはありませんか。」

東郷平八郎に秋山真之は問う。

「おいも人間じゃ。そいはおはんと同じじゃ。
悩みや苦しみと無縁ではなか。
じゃっどん、将たるもの、
自分の下した決断を神の如く信じらんにゃ兵は動かせん。

決断は一瞬じゃが、
正しい決断を求めるなら、その準備には何年、何十年とかかろう。

よか指揮官とは何か。
犠牲になった兵のためにも、よう考えてほしか。」


物事に臨んではその違いを分かっての使い分けであり、またインスタントも良いですが、
成熟度をマスターすることによってのみ知ることができる状態がありますね。

From a conversation based on a historical fact.

"What is a good commander? I'm not sure about that. Has Major General ever regretted his orders?"

I am a human being, too. It's the same as you. It is not unrelated to worries and suffering.
However, the commander
If you can't believe your decisions like God, your soldiers can't move.

A decision is a moment, but if you want the right one, it will take years and 10 years to prepare.

What is a good commander?

For the sake of the soldiers who lost their lives, we hope the government will consider the matter carefully.

When you're dealing with things, you know the difference, and instant is good, but there is a state you can only know by mastering maturity.


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【 脚下無根 きゃっかむこん 】

教室 夜の部の稽古風景です。

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夜の雨の音が、静功禅にはまた良い集中力を演出します。

重心はその底が地球の中心核まで届けとばかりに、はかり知れないほどの重量感を持って重くたたずみ(踏ん張るのとは少し違います)、
また上半身は柔らかく軽やかにリラックス状態であること。


武術や気功養生の世界には、「脚下無根」と申しまして、

その足下に太き力強い根が育たねば、その者の実力無しという言葉があります。

この場合の「根」とは肉体のみに留まらず、精神の在りかたをも示唆するものです。

It is the scene of the class night session.

The sound of the rain at night creates a good concentration for Zen meditation done quietly.

The center of gravity must be heavy, with its bottom reaching the center of the earth, and the upper body must be soft, light and relaxed.


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【 内功ないこう Innerpower 】

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お盆明け、先日の教室 昼の部の稽古風景です。

このアカデミックな気功体系は着実に内功 ないこうを養うプログラムですが、
そのひとつの特長としては「静をベースとした運動」であることです。

「静をベースとした運動」とは、内的体験が前提となっており、立つにせよ座るにせよ、
じっとしている中でその心が静かになり(明鏡止水)、身体の中が動いていく(内動)特殊な運動の状態を発達させていくことです。

自身の中に確かに存在する生命運動の躍動と自己組織化の萌芽を、着実に味わえる体系システムと成っています。

"motion based on static" is to develop a special state of exercise in which the mind becomes calm while being still and the body moves, based on an internal experience.

It has become a system in which you can steadily experience the dynamism of the life movement and the beginnings of self-organization that exist within you.


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【〝接触〟に対する反応訓練 】

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“突発的に見える”どのような事件・事故も、潜在的条件がいくつも重なって、はじめて目に見える形となって現れるものですね。

現代人の情報判断は7割方、多くは視覚から得ている面が強いですし、それ故に中身よりも先に“見た目が大事”と言うのは、社会的一定評価を得る上では中身の素晴らしさをどんなに叫んでも、現実的に多くの方が味わうところでありましょう。

メディアの絶えず視覚に訴える手法も、催眠状態へと知らず導かれる大きな影響力なのですが、
潜在的条件がいくつも重なって起こる原因よりも、“結果”だけが象徴的に目に映るので、こんなことが世の中にあるなんて「信じられない、とんでもない事態」に見えるわけです。


日本は他の国に比べると比較的、安全とは言われています。
しかしながら、潜在的に突発的に起こる暴力や事故に対して、皆、無縁だとは言えないところはありましょう。

またそうした高まる危機感が、昨今、問題視されているあおり運転などの社会的反響の大きさにも現れているような気がします。


普通に暮らしていれば日本人は守られ過ぎていて、特に今は路上で起きる喧嘩の経験をすることなく、比較的ふだんは暴力を受けることのない環境に生きていける方がほとんどです。

自分の安全圏を侵され、“接触”を受けることに慣れていないですし、また“接触”を受けたときに、野生動物がその身を守るように、
自然に適切に反応して身の安全をはかる能力が、そのレスポンスの遅さと共に育っていないところがあります。


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目の前で今起こっている異常事態に頭は真っ白になり、恐怖に縛られて車の窓を閉めることも出来ずにただ一方的に殴られる・・・またそれ以上の命を落とすような最悪な状況だけは避けたいところではあります。

訓練では、よくある“こうされたらこうさばく”技テクニックを覚える以前に、

“接触”を受けたときに、緊張状態よりもリラックス状態を保つキーピングスキルを養うことが大切となってきます。

あくまで訓練でありますから練習者は焦らずに、
“接触”を受けたときに精神的にも肉体的にも自分のなかにどのような反応が今起きて、また迎え入れているのか、
ワークのなかでの自分自身への入念なチェック状態が、こうした訓練の重要な点と成って参ります。


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【 三焦さんしょうとバネ指の相関関係 】

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本日の教室、昼の部の稽古風景です。

手指のしびれなどの橈骨神経麻痺とうこつしんけいまひ対応のツボ療法などお伝えしました。

最近ではスマホいじりによる親指の手関節障害も見受けられますが、日常、手仕事の指の使いすぎと、手首を休ませるための経絡けいらくの流れに沿ったテーピング技術などもお伝えしました。


「三焦さんしょう」とは東洋医学独特の用語で、気血エネルギーと体液を全身に巡らしてその水路を整え、
不要な物質を体外に排せつさせる作用を持つ内気経絡の道すじとして、鍼灸漢方では捉えています。

体内の水分をきれいにしてサラサラと流すのが「三焦」の働きと言えるでしょう。

熱中症にも関係あるくすり指のツボから始まる手の少陽三焦経しょうようさんしょうけいは、
手関節障害、力こぶの裏側の伸筋の知覚・運動障害、肩関節の異常、頭痛、耳鳴り、眼精疲労までカバーするルートです。

お伝えしているセルフ整体術でもある「内功八段錦ないこうはちだんきん Eight-section Brocade」は、
健康の維持増進の起点であるこの「三焦」から整える動きを稽古して参ります。


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