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『 祓(はらえ)とはなにか 』

先日、6月30日は「夏越の祓 なごしのはらえ」でございました。
 
神社で茅の輪くぐりを行い、半年間の罪や穢れ(けがれ)を落とす行事です。
 

 
神社やその祭事というものは、現代ではその意味・由来があまり伝わりにくくなっておりますが、
私たち日本人の根っこの部分で「深く結びついている」ものです。
 
 
 
この「結ぶ」という想いと行為が、
 
生命を切ったり 叩いたりではない、
私たち日本人のDNAにしっかり刻まれていること。

 
 
つながりとは 結び合わせることです。

 

この「結ぶ」ということ・・
 
 
 
もちろん秩序だった社会形成とともに必要なプロセスを
この国は歩んできたと思いますが、

鉄器が伝わる以前の古(いにしえ)の日本、
 
 
切ることなく 叩くことなく、

 
結んだり 縛ったりする文化…
 
 
このところに私たち日本人総体としての源流、
 
精神風土の基盤があるように感じます。

 
 
神直日 大直日 かむなほひ おおなほひ

 
…曲がったものを直す。
悪い神を改心して引き上げる、
 
滅するのではない。
殺すことはない。その寛容さ。

 
 
当日はほとんどの神社で、
夏越の大祓(なごしのおおはらへ)がありましょう。

 
 
 
祓(はらへ)とは何か。

単に「祓 はらえ」とした場合、
 
これは個人の禊ぎ(みそぎ)を指します。

 

「大祓(おおはらへ)」…
 
これは“公”、
 
社会全体を祓うことです。

 

祓 はらえ = 罪を祓う(はらう)

禊ぎ みそぎ = けがれを祓う(はらう)

 

この“けがれ”とは、気枯れ…
 
「氣」の低下・生命力の低下を指します。

 

ですから「祓 はらへ」とは、

低下したその精神・生命体のエネルギーを
呼び起こす行為なのです。

 
 
神道の死生観には、
 
今ここを生きるとする「中今 なかいま」の精神が、
 
その中心を垂直性のエネルギーで持って
 
この国に流れています。
 

この天地に連なる垂直性のエネルギー・・
 
神さまのことをひと柱、ふた柱など、
 
 
「柱 はしら」として数えます。
 

 
最近では希薄ですが、
親父でしたら、一家の大黒柱と呼んだものですね(笑)
 

 
この、
 
人も、
 
天と地のはざまにおいて
 
 
「柱 はしら」のように
 
自立して「立つ」・・
 

 
この意識は「神なるもの」と繋がることにおいて、
 
とても大きいことだと感じます。
 

 
事実を事実として受けとめ、
そういった神々おわす国土の上、
 
積み重ねてきた歴史事実の上に
 
私たちは存在できていること。

 
 
そして正しく知ることは、想いや祈りの力となり、

わたしたちひとりひとりの行動に
 
「たましい」が宿ります。

 

神道(しんとう)とは「魂振り たまふり」…
 
たましいの振動数を上げる道行きです。

 
 
また神道…かむながらとは源流を辿ると
 
アニミズム…自然崇拝です。
 
 
 
バランスに注意ですが、
あまり あぁしなさい こうしなさいというような、
教義・教典というものがありません。

 

なんでも鵜呑みにしないで、

ご自分なりに感じ考える感性が大切となってきます。
 

 
そっと身の内に耳を澄ませば聴こえてくる、
私たちのDNA…
 
何か非常時にパニクっても、
度を越した集団的身勝手さとしては発露しない、
 
私たちの生活規範のなかにあるものです。

 

昔日のおじいちゃん・おばあちゃんの精神性などは
とても神道的なものです。

 
“お天道さまは見てるんだ、自分たちは生かされているんだ。
 
だから自分の良心に従って 生きていこう”

 

米俵②




このシンプルな“こころ掛け”の積み重ねが、
 
 
わたしたちひとりひとりの身の内に宿る
 
「神性」の発露となります。

 

 
「神」とは何も形どった人格神でなく、
 
ある意志を宿したエネルギーです。
 
「神意 しんい」といってもいい。
 
 
これが「氣」で観じる私の
 
「神」に対する見立てです。

 
自然そのものといってもいいです。

 

 
八百万(やおよろず)の神さま…
 
昔日の感性するどい人々は あらゆる事物、
 
 
山の神、海の神、
 
すべての事象に「神」や精霊の存在を感じて、
 
畏れ おそれ 敬い、
 
常に“こころ掛け”、心づけ、
 
“気”をつけて、
 
 
「丁寧に」暮らしぶりを立てておられたのだと感じます。


君背負いし
 

 
ナイアガラの滝のような(笑)
手つかずの大自然はこの国にはないかもしれませんが、
 
 
常に人と自然がつながっていた。

 

つながるためには意識づけ、心づけが大切です。

 
 
わたしたちをただ淡々と、
寛容に見つめてくれています。

 
わたしたちがどんな状況を生き、

たとえ苦しく 孤独にさいなまれることがあっても、

 
そのあなたの孤独でさえ、

静かに見つめてくれています。

 

お天道さまに恥じないように生きて参りたいですよね。


 
これを読んでくださったみなさまに
 
祝福申し上げます。
 


山下 俊行



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