2018/02/04
【 恵方 】

昨日、2月3日は節分でございました👹
自然の摂理・法則という「真理」に本来、旧いも新しいもないですよね。
「天才バカボン」じゃないですが、東から昇るはずの太陽が、
ころころと時には西であったり南であったりしちゃ、わたしたちの生体リズムは困るわけです(笑)
日本の歴史には、
だいたい三層からなる歴史認識層があります。
表層部分から始めますと、
第一層は、近代化の流れのなか、
欧米圏の強い影響のもと育まれた意識の層・・・
さかのぼること、この150年からの意識層ですね。
この国の深きところに流れる歴史の層を何も知らずにおいて、
日本はすべてにおいて遅れている、
手放しでアメリカ・ヨーロッパ最高と
考えなしに口にする者のノリは、
この辺りからですね。
第二層は、儒教社会の色濃い、
いわゆる武家文化が花開いた時代・・・
日本の精神文化の「華」が成熟した層です。
この第一・第二までがメジャーなシーンで、
多くの方が現在、混迷すればするほど、
アイデンティティを求めては
それらの層に依拠しながら追っている
意識の層です。
そして第三の層は、
わたしたちが思考体系の
「あたま」で追うこともなく、
遺伝子レベルでその身体のうちに流れている、
それはふつふつとする地下深くのマグマ層のごとく、
アニミズム・・・
原初の感覚でコミュニケーションスキルを用い、
当時の、特にあえて「平和」とは称さない
コミュニティを生きた自然崇拝の姿。
東方ジパングは東の果ての果て・・・
平安末期まで栄えた人種のるつぼのなか、
おそらくはひとつの可能性として成立しきっていた、
かつての古代日本の意識の層。
メジャーな「古事記」や「日本書紀」・・・
いわゆる記紀神話以外にも、
この陽の國(ひのくに)には、
いろいろな勢力が栄えていた氏族による
数々の古史古伝書というものが存在します。
それは現代のこういった
情報媒体と同じように、
ひとつの皆が知る手立て、
ひとつの可能性の示唆をもふくんだものです。
情報をどう消化(昇華)するかは
それぞれのセンス次第です。
うまく摂取してその栄養とするか、
要らぬものは排せつするか、
はたまた情報を、
酒よろしく呑みすぎては二日酔いを起こすか(笑)
二日酔いや食べ過ぎに懲りたら 肝休日や断食をして、
自分でなんとかするように
情報をどう呑みこみ、
摂りこむかはそれぞれの感性力であり、
またそれぞれであっていいものです。
古史古伝書・・・
かつて日本各地にはさまざまな民が存在し、
その一族の言ってみれば家伝書のようなものです。
そのなかに「秀真伝 ほつまつたえ」という、
古代の宇宙観を示した書があります。
全三巻「天・地・人 あ・わ・や」から成ります。
その並びには
「三笠紀 みかさのふみ」という書があり、
私も育てていただきました鹿島の地、
鹿島神宮に関わり深い中臣氏の嫡孫、
大鹿島命(おおかしまのみこと)が
綴ったものと言われています。
その「秀真伝 ほつまつたえ」
極めて神道・・・古神道 こしんとう に関わり深く、
陰陽五行を表す宇宙原理がそこにも説かれています。
◎この宇宙のあらわれ、
宇宙創成につらなるエネルギーは、
根源神の働きにより 陽と陰の二極に分かれた。
一方は陽となり、天となり、
そして太陽が生じた。
また一方は陰となり、大地となり、
そして月が生じた。
◎ 陽 は 空・風・火 を、
また 陰 は 水・土 を生み出した。
これが陰と陽、
それからこの世界の構成要素である
五つのエレメント・・・五行説に関わる記述です。
そしてこの天と地のはざまに
ひとりの神が現れます。
国常立命(くにとこたちのみこと)
この神さまには八人の御子がおりました。
この八神が実は、
八つの方角に関係してくるわけです。
陰陽五行に関する記述のあとにこう続きます。
◎天地が生まれたその後、
八元神(ヤモトカミ)
「ト・ホ・カ・ミ・ヱ・ヒ・タ・メ」の 八神が生まれた。
ト・ホ・カ・ミ・ヱ・ヒ・タ・メ は、
それぞれが 神の名であり、
・トノクニサツチノミコト
・ホノクニサツチノミコト
・カノクニサツチノミコト
・ミノクニサツチノミコト
・エノクニサツチノミコト
・ヒノクニサツチノミコト
・タノクニサツチノミコト
・メノクニサツチノミコト
八人の神は八つの方位、
【ト:南】 【ホ:東北】 【カ:西】
【ミ:東南】 【ヱ:北】 【ヒ:西南】
【タ:東】 【メ:西北】
それぞれを守り、
またそれぞれの頭をとって
方位方角を表す言葉としても使われました。
そして恵方巻き・・・
どこぞの販売業者が売り上げに乏しい
二月の売り上げアップから始め、
いつのまにか毎年のイベント商戦に加わった感じであり、
またもっともらしい由来も
商品にパッケージしておりますが・・・・
どうやら「秀真伝 ほつまつたえ」に
照らし合わせると、
恵方とは、「ヱの方角」
北の神 エノクニサツチノミコト
依国狭津雷尊のことらしいです。
またこの【ヱの神】は、
冬に "天の精霧 (太陽の陽エネルギー)" を使って、
春を招来する役割も持っています。
どうやら「恵方」とは
「ヱ方」のことであり、
【ヱの神】の方角、
すなわち 北の方向 のことでした。
ですから古来、陰暦の新年、
節分の夜に去って行かれる
【ヱの神】に向かって願い事をしていたことが、
江戸時代の末期に、大阪の船場で
商売繁盛を祈願するようになりました。
これが現在の恵方巻きにつながるわけですね。
どうやら、そのような次第であります。
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