2017/10/15
【 内功八段錦 ないこうはちだんきん 第四段と 眼精疲労 】
目は本来、外部の刺激に敏感です。現代では仕事・プライベート合わせて、
パソコン・スマホに長時間向かって、目を酷使する時間が増えております。
一番の眼精疲労のケアは、
長時間向き合い続けないでとにかく目を休ませることですね。
脳機能と目の状態はダイレクトに繋がっており、
脳死の判断を目の瞳孔が開いていることで確認することでも分かるとおり、
脳の疲れ・頭の疲れが目の疲れにも反映いたします。
わたしたちの脳は定期的にシャットダウンしないと、
休むことなく働き続けるパソコンみたいなもので、
すぐにヒートアップして疲れを覚えやすい、脳は身体の司令塔です。
脳は疲れを覚えると、
あ~・・・という感じで脳そのものを支えている重い頭蓋骨が下がり、
首の骨、7番まである上部頸椎の1~3番の可動に影響を与えて、
頭蓋骨の下の視神経を圧迫、目の疲れとなるのです。

ご自分で行える回復運動としては目そのものを良く動かして、
視神経と関係深い延髄の働き・脳の働きを活性化します。
まず手のひらを、あっついというくらいに擦り合わせて熱を発生させ、
手当ての力を高めます。
温めた手のひらをまぶたを閉じた目の上に当てます。
そのまま眼球を時計回りに 9回。
逆時計回りに 9回ほど、ぐるぐる動かして、ゆっくりと手を離します。
電車の中でもどこでも出来る回復運動です。
公園などに足を運び、まず遠くに視線を送って樹々の葉を見つめたのち、
近くの花などに視線のフォーカスを移したりして、
しばらく遠くに近くに視線を上下させるのも良いでしょう。
これが硬くなり滞っていた首の骨の動きを良くして、
視神経にも良い刺激を与えるのですね。
で、上のような目の健康状態とその回復のプロセスをギョウザの皮のように包括的に含み(笑)、
鍼灸(しんきゅう)における体内のエネルギー回路・経絡をも刺激する、
経絡調整スイッチの漢方運動とも言える優れた保健医療運動に、
「内功八段錦 ないこうはちだんきん」というものがあります。
これは8つの動作ポーズからなる、
筋骨格レベルの整体効果と、全身経絡の調整運動が合わさったような、
たいへん珍しい保健医療運動であります。
八段からなる8つの動作ポーズのなかの第四段に、
「 五労七傷往后瞧 ごろうしちしょう おうごしょう 」というのがあります。
動作タイトルの意味としては、
〝後方をふりかえるようにして、五労七傷を調整していく〟となるでしょうか。
☯「五労七傷往后瞧」
「后」は後ろ、「瞧」は見るという意味です。
8つある動作ポーズのなかで、見た目、たいへん地味な形と動きですが、
この型は肉体的、精神的な疲れに役立ち、
疲れた体と心に染み入るような感覚で味わえる型でもあります。
訓練が進んで身体の感覚が開いていくと、更に効果を感じる味わい深い型と成ります。
まず「五労」とは五臓(肝心脾肺腎)の疲労、
または長時間「視る、横になる、座る、立つ、歩く」を続けることによる、
人間の行動上における、主に5つの動作による疲れを意味します。
①久視傷血・長く目を使っていると血が傷つきます⇒肝は臓血の主。
②長臥傷気・いつもゴロゴロしていて運動不足だと、気の運行を妨げます⇒肺は気の主。
③長座傷肉・脾主肌肉⇒肉を傷めると脾臓も傷みます。
ずっと座ったきりで動かずにいると脾臓にも悪影響を及ぼします。
第三段の「調理脾胃須単挙 ちょうりひいすたんきょ」でも練られることですが、
運動不足が続くと筋肉が衰えて力が失われていきます⇒湿気が生じるようになり、脾胃に疾患が生じ易くなります。
座り続けていて、お尻に汗をかき始めたらサインです。
おもい悩むときほど、無心で取り組める運動に専念したほうが良いのです。
④久立傷骨・立ち仕事など、長く立ち続けていると骨を傷めます。
骨の痛みは腎に悪影響を及ぼすものです。
また腎は思考にも深く関わっています。
腎の活動が衰えると 脳に栄養が行き渡らずに、精神疲労を誘発するものです。
⑤久行傷筋・長時間歩き続けたりすると筋肉を傷めます。
普段は運動しないのに、いきなり5kmも走ったりすれば、 当然、筋肉を傷めます。
筋肉の主はどの臓器でしょうか?⇒≪肝主筋≫=肝臓を傷めます。
またこの型の動きは、背骨と腎・膀胱経の鍛錬になるものです。
「七傷」とは、七情(怒・喜・思・悲・憂・恐・驚の七種類の感情)による精神疲労を指しています。
つまりこの第四段の動作は、
〝五労〟と〝七傷〟をトータルで合わせて、「心と身体の疲労回復をはかる」ということです。
本来、言葉では表現しきれない、直接指導を持ってしか伝えられない妙趣ではありますが、
文面上でこの型の動作解説をすると、
まず両手のひらを胸の高さまで上げます。
次に手のひらを反して、軽く腰を落としながらヘソ下まで下げます。
続けて腰を上昇させながら、両手のひらを平円を描くように左右に開くように回していく。
同時に顔を左方向にゆっくりと回していく。
両手のひらを胯(Kua:股関節周辺)の脇まで回す。
顔も楽に最大の角度まで回す。
アレンジすればこの動作のとき、
視線をいちど斜め上の対象物を見つめてフォーカスしたのち、
顔を回しながら、左の肩越しに床を見つめて視線の上下運動を加えます。
これが先に述べた眼精疲労のケアとも関係深くなるのですね。
しばらく立ち続けたのち、両手のひらで大きな平円を描くように胸の前まで戻してくる。
同時に顔も右方向に回り始める。
胸の高さで両手指先を向き合うように寄せ、
両手を左右に開きつつ体側に落とし、左足を引き寄せる。
続けて右足を肩幅に開き、左右交互に繰り返す。
「内功八段錦 ないこうはちだんきん」は、鍼灸(しんきゅう)における経絡をも刺激する、
経絡スイッチの漢方運動ともなり、
それを外部よりの刺激だけではなく、
自発的に本人の身体のなかから起動できる生命運動だというところに、
その特色と醍醐味があるところです。
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一生自己成長、高めることのできるエクササイズである、
内功八段錦(ないこうはちだんきん)Eight-section Brocade Exercise などの各種訓練法、
それらエッセンスを緻密にお伝え致します。
【 こころとからだの長期サポートコース 】
https://vital-energy.themedia.jp/posts/2886742

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